昔の文亨進にあらず!なめたらあかんぜよ。

文亨進牧師のラジカルな説教(4)

 2010年2月23日の文亨進さんの言葉は、多くの教会員の心を打ったようだ。
 前回の記事「キム・ギフン、バルコム、ジェンキンスよ、恥を知れ!」に、「若干の解説と感想」を加筆しようと思っていたのだが、あまりにも長文となるゆえ、新しく稿を起こした。参考になれば幸いである。

宗教を比較する

 文亨進氏は1979年生まれ。このスピーチをしたときは世界会長になって2年目の31歳のときだった。この年齢に注目すべきだろう。
 彼が日本の教会を訪問するようになったのは、世界会長になる1年前の2007年、27歳のときからであった。
 それまでの亨進氏の日本シックへの認識は、「献金が大好きな原理主義的な熱狂者」とまではいかなくても、好んで献金するといった程度の曖昧なものだったと思う。
 シックからプレゼントもらえば、喜んでいたのかもしれない。

 しかし、彼は2005年から2006年の間、イタリア、ローマ、インド(ダラムサラ)、中国、台湾、日本、フィリピンなどの宗教聖地を訪問し、外の世界への見聞を広めている。また、ハーバード神学大学院 (Harvard Divinity School) で、比較宗教学を学んでいる。

 
 他の宗教と統一教会とを比較して思考する。これはきわめて大切なことである。

 亨進氏は、日本の教会を訪問したとき、すぐに<何かおかしい>と感じたはずだ。
 私事になるが、統一教会・杉並教会の日曜礼拝に参加したことがある(2007年)。違和感を覚えたのは、信者同士の人間関係が温かいものではなかったこと(カトリックの礼拝に参加したことがあるが、実にホットな雰囲気だった)、それよりなにより受け取った<週報>の一行に「献金生活の生命化」と書かれていたことだった。(拙著『我らの不快な隣人』のプロローグ)

 比較して物事を見る癖がある人なら、誰だって、統一教会を訪問すれば<何かおかしい>と思うはず。
 そこで、亨進氏は教会に寝泊まりし、シックの家庭を訪問するようになった。そこで、シックの現状を知り、衝撃を受けた。28歳のときである。それから3年経っても、日本のシックのことを振り返って語るとき涙を流さざるを得なかった。「打ちのめされる」ほどの衝撃度だったと想う。

 

そんな質問はできないはずだ

 亨進氏が何を目撃したのかはわからないが、拙著『カルトの子』の好美(1800双の2世)の体験談は参考になるだろう。
<好美は高校時代に日曜礼拝で知り合った、やはり2世の男の子の家に遊びにいったことがある。好美の家も貧しかったが、下には下がいることを知ってショックを受けた。
 彼の住んでいる古びた木造アパートには統一教会の信者の家族たちが身を寄せ合うようにしていた。部屋は2畳の台所に4畳の食堂と5畳の居間。そこに両親と彼を含め5人のきょうだい、合わせて7人が暮らしていた。食堂の床が彼と弟の寝場所で、風呂のシャワーは壊れたままだった。
 後述するが、母親はブラジルに派遣されており、父親は統一教会系の企業で働き、夜遅くならないと帰ってこない。弟や妹の世話は彼が一手に引き受けていた。
 好美が「こんな生活おかしいと思わないのか」と質問すると、彼は、
「文鮮明の御言葉集を読みなよ。読んだらそんな質問はできないはずだ」
 と答えた。
 好美は「2世の1、2割程度は教義を信じきっている」と話す>

 亨進氏が訪問した家は、共同トイレ・風呂なしだったというから、これ以下だったと想う。

亨進の苦悩

 2008年4月、亨進氏は文鮮明氏から後継者として指名されて世界会長(前任は郭錠煥氏)に就任するとともに、韓国教会の会長(前任は黄ソンジョ氏)になる。
 面はゆい反面、精神の彷徨が始まったと推測される。
 この1年後、文家4男の国進氏が日本担当になる。会計に精通している国進氏は日本統一教会の歪な構造を瞬時に見て取り、企画本部長の大島氏とともに、改革に乗り出した。訪日したのは80回に及ぶという。改革の進捗度は、この後に紹介する亨進氏の妻・李妍雅さんの録画を見れば理解できよう。
 兄の国進の手によって、日本の献金問題は少しずつだが、改善されるようになった。
 そうすると、世界会長として宗教の指導者として、自分は何をやればいいのか苦悩が始まった。

 私は悩みました。この生きた聖人たちを霊的に指導する立場にあったからです。
 最低でも私の何百倍、何千倍もの基準の人々を
 とても大変でした。
 私の目はまだ真の父母様を霊的に見えていませんでした。
 原理を教え説教しながらも
 異常なジレンマにとらわれ、身をゆだねるしかありませんでした。
 この生きた聖人たちに少しでも影響を与えうるならば、お父様、私自身の力からは出てきませんと。

 これは推測だが、亨進氏が2万1000回の敬拝を行ったのはこのときだったのではないのか。オウム真理教で有名になった五体投地に似た敬拝(修行)で、彼は何らかの神秘的体験をしたのかもしれない。(前述したように、インドを訪問している)
 また、この頃のことだと思うが、金魚の糞の如く、文鮮明氏から片時も離れなかったと聞いている。必死で何かをつかみとろうと考えていたのだろう。

文鮮明氏の死去に小躍りした人たち

 4男国進氏と7男亨進氏の兄弟によって、献金問題にメスが入った。
 これに驚いたのは、食口の生き血を享受・享楽していた世界の統一教会の幹部たちである。彼らは利権を守るために、何としてでも2人を排除する必要があった。

 奇貨となったのは、2012年9月3日の文鮮明氏の死去だった。
 悪魔の連盟たちは、数ヶ月後の12月末に国進氏を日本担当から外し、そして2013年3月12日、統一教財団の理事会の議決によって統一財団の理事長を解任する。未だに不可解なこのときの真相は、いずれ亨進氏が明らかにするだろう。
 一方、3人の金(金孝南・金ソクビョ・金マンホ)が韓鶴子氏をたぶらかし、文亨進世界会長を解任した。
 公式声明がないゆえ、いつ解任されたかは不明だが、2012年9月頃ではないのか。アメリカ統一教会の教会長を電撃解任したのが2013年2月22日。韓国の『時事フォーカス』によれば、5ヶ月間で解任されたというのだから。
 ならば、文鮮明氏が亡くなった直後ということになる。

 2人の追放に成功し、「これで再び献金享楽生活に戻ることができる」とにんまりしていた悪魔集団だったが、亨進氏のラジカルな説教に仰天してしまった。
 そこであわてて、アメ統・悪のトリオが公文を出した。
 結果として、これは墓穴を掘ったといっていい。亨進氏が世界会長を解任されたことは教会員の多くが知らないことだからだ。
 シカトが一番、♪3時のおやつは文明堂♪だ。頭が悪い3バカである。

亨進は今でも世界会長だ!

  鞍馬天狗さんが「コンプライアンス遵守を叫ぶなら、亨進様の命令に従え!」が明らかにしたことだが、日本の統一教会の公式サイトでは、今でも亨進氏は世界会長なのである。

世界会長 日本UCHP

 上を見れば、一目瞭然であろう。公式サイトだけではない。
 「2014年2月号の『トゥデイズ・ワールド ジャパン』でも「2014年3月2日の統一教会員の合同ニュースブログ」 でも、文亨進世界会長として紹介されている。前者の雑誌を編集しているのは光言社の社員。後者のブログを書いているのは能登教会の若狭力さんなどボランティアの教会員。彼らも世界会長はいまだ文亨進氏だと思っているのだ。

認識ラグの原因は?

 前記事のコメント欄で大阪一世さんが書いていた。http://yonemoto.blog63.fc2.com/blog-entry-549.html#comment10640
(引用はじめ)
教会からの情報だけを得ている食口は、「亨進様は今も世界会長だが、アメリカの田舎で瞑想・祈祷生活をしているらしい。時々ツイッターでお父様のみ言を配信されている」
(引用終わり)

 実に奇怪、奇怪。まるで幽霊話だ。ならば、金孝律たちが率いる統一教会はいったい何なのさ。
 つい、♪あんた、あの子のなんなのさ♪楽曲が浮かんでくるほどの面白さ。

 あるアメリカ教会員からの情報である。
「韓国人の姉妹から聞いた話では、亨進様は世界会長を解任されていないということです。幹部の誰かがお母様に「解任した方がいいのではないか」と言われたそうですが、お母様は1パーセントでも戻ってくる可能性があるのならば解任しないと答えられたそうで、解任はしていないということでした」

 なるほど、説得力がある。おそらく事実だろう。韓鶴子氏は今でも7男の息子が世界会長だと思っている可能性がある。
 興味深いのは、1パーセントでも戻ってくる可能性というフレーズだ。
 戻ってくるもなにも、亨進氏は世界会長の座から引きずり下ろされたのだ。
 ここから類推できるのは、3人の金の誰かがこう囁いたということだ。
「亨進様は意見の違いによって、自らの意志で教会から去られました。幼いから仕方ないかもしれません。ついては世界会長を解任されたほうがいいかもしれません」

 こう書いているとき、ふと浮かんだのは、「わが子・亨進と会うのを拒否した母親」 の記事である。
(事情通の証言:引用はじめ)
 亨進様夫妻は8月7日、お父様のお墓で祈りを捧げ、お母様に会ってご挨拶する目的でアメリカから訪韓されました。これに対し、お母様は亨進夫妻との面談を拒否されました。
 また、お墓参りする際には、「2、30人の警備員」を亨進様夫妻に同行させるなど、威嚇的としか理解できない処置をお取りになりました。
 大母様はこれまで、お母様が息子たちの帰りを待っておられるかのような内容を広めてきましたが、それが事実でないことが今回の亨進様の訪韓で明らかになってしまいました。
(引用おわり)

 皮相的な見方しかできなかった私は韓鶴子氏を「母親の資格なし」と批判したが、そうではなかった。
 3人の金の誰かが「会わないほうがいい」と、囁いたのだ。
 ここで、亨進氏の1月25日の説教が蘇ってくる。注意深く読んだ人も同じではないかと思う。

彼らはまた、王妃様の時間を独占しようとします。一日のうち、なるべく多くの時間をとるために、 グループの誰かが王妃様と会い、案件を押し付けます。分かりますか。これらのグループは、本質的に独占です。


 聡明な読者には、権力構造の本質が透けて見えてきたと思う。
 亨進氏と妻の李妍雅氏、国進氏の妻は偏頗的な情報ばかりを掴まされている韓鶴子氏に真実を伝えたいと、わざわざアメリカから韓国に戻った。墓参りが理由なら、会ってくれるのだろうと踏んだのだろう。
 しかし、事の真相を知られることは絶対にまずいと判断し、2、30人の警備員を監視につけたのである。
 未確認情報だが、昨年だったか、文顯進氏と韓鶴子氏とがアメリカで会ったことがある。このときは阻止することはなかった。会ったとしても、大勢に影響ないと重臣たちが踏んだのだろう。
 しかし、亨進氏にだけは絶対に会わせてはならない。悪魔の連盟たちの陰謀(公金横領、利権を維持するための恣意的な人事)を知られては絶対にまずいのだ。絶対信仰ならぬ絶対阻止だったのだ。
 ようやく事の真相が見えてきた。

 
李妍雅のスピーチ 

 前出した李妍雅さんの2月8日のスピーチ録画を紹介する。字幕をコピペしたのは鞍馬天狗さん。出典は「日本の全ての食口の皆さんに感謝しています by 妍雅様」

 私が真の家庭に入って数年たった頃のことだと思います。亨進様がUTS(統一神学校)で修練会をされたことがありました。大勢の参加者がいて(亨進様の)講演のあと、質疑応答の時に何人かの人が手を挙げました。1人の日本の姉妹が手を挙げて、こう質問しました。

「私たちは文明の進んだ時代に暮らしています。今やインターネットもあり(当時は最新の技術でした)ロケットや宇宙船も飛ばしています。なのに教会運営はなぜこうも旧式なのでしょうか? 一体いつまで、日本の食口は摂理のために犠牲になり続ければばらないのでしょうか」

この姉妹はとても率直な質問をしました。私はそのような話をその時初めて聞いたのです。えっ、何の話だろう。当時私は普通に育ってきた若い2世に過ぎませんでした。そのようなことは何も知らなかったのです。

その件についてより深く知るようになりました。現実を知るようになりました。これは教会に存在する大きな悪循環です。この場にいる人、このビデオを見ている人の皆が知っています。それについて、あえて話そうとしない

そんな問題は存在しないとタカをくくるか、日本の食口がそうしたいのなら、そうすればいいではないか。日本人の問題でしょう。したいから(献金)するんだから。誰も腕をねじあげて無理にさせているのではないのだから。こういって、この問題に沈黙してきました。

夫が神学校を卒業したあと、このままPhD(博士課程)に進むか、他のことをするか、しばらく考えていました。当時、國進様は統一財団の理事長でした。ちょうど韓国で大きな行事があり、韓国に戻っていた亨進様を國進様が呼んで話をされました。

「いいか、日本の問題をなんとかしよう。まずできることは、韓国教会を財政的に日本から自立させることだ。ぜひともそうしよう。言葉だけでなく実行しよう」

私たちもまさに「時」と感じました。それまで私たちは日本を何度も訪れ、約40カ所の教会を回りました。日本の食口をいくらでも元気付ける話をすることもできますし、何時間でも一緒に写真を撮ることでも、何だってできます。また実際にそうしました。

でも、それだけでは不十分なのです。それを悟りました。彼らのもとに行って勇気付けるメッセージを語り、何か揮毫を書いて残すのも確かに良いでしょう。でも、それだけでは駄目なのです。

今も報告を聞かれた時のお父様の嬉しそうな様子を覚えています。國進様のリーダーシップのもとで日本の(財政的)負担を減らしたという報告です。日本の教会は負担をしなければなりません。それは、皆さんご承知のとおり個々人の負担です。國進様は計画的にまず、日本の負担を減らしていきました。

2012年までには日本の負担は半減しました。お父様がこの報告を受けられた時、本当に嬉しそうにされていました。韓国教会が一緒になって自ら日本から自立するということを成し遂げたことを誇りに思います。韓国の兄弟姉妹を誇りに思います。

そして今、完全に以前の姿に逆戻りしてしまいました。これを思う時、私は涙をこらえることができません。何か、霊的に、日本の食口の犠牲が私に覆いかぶさってくるように感じるのです。涙をこらえることができません。

「母の国だからそれが責任でしょう」と言いますか? それでは父の国、子女の国、娘の国は何という国でしょうか。40年以上も母の国に犠牲を強いるなんて! なんという家族

それがキリストの体(教会)の姿でしょうか。

家族の1人が苦しんでいれば、それは私の苦しみ痛みではないでしょうか。お父様はそう教えられました。今、できることは・・・。

お父様も「解放釈放時代」を宣言されました。私たちも日本の兄弟姉妹を解放してあげなければなりません。彼らは生身の人間です。私は訪問した全ての日本の家庭を覚えています。

私たちにできることは、祈ることです。もし皆さんが知っている日本の兄弟姉妹の家庭があれば、名簿を作り、解放を祈ってください。お父様が教えてくださったはずです。日本の兄弟姉妹も同じ子女なのです。

私も個人的に献金は重要だと思います。献金によって教会が運営できます。将来大きくなって教会に行くなら必ず献金しなさいと、私は子女たちに教えています。ですが、それが行き過ぎて、搾取のようになってしまってはいけません。

私たちは1つの大きなキリストの体です。

献金は大切です。日本の兄弟姉妹は英雄的に行ってきました。蕩減路程で彼らは英雄的に行い、そして勝利したのです。彼らの犠牲的行為・精誠を無駄にしたくありません。それは決して虚しいことではありません。美しい信仰の証です。

日本の全ての食口の皆さんに感謝しています。皆さん全てが心を1つにして彼らを讃え、感謝しなければなりません。「日本の兄弟姉妹も、他の兄弟姉妹から感謝され、世話を受けているな」と、天国のお父様もきっとお喜びになるでしょう。


拉致監禁は根絶されていたはず

 2012年までに日本の負担が半減したのが事実かどうか不明である。だが、心ある教会公職者たちが「国進ニムの改革によって膿が出されるようになった」と喜んでいたのは事実である。教団中央の日本人幹部たちもそうだった。彼らは前総会長のソン・ヨンソクが嫌いだった。私のソン・ヨンソク批判の記事を韓国語に翻訳して机の上に置いときたい、という職員もいた。
 改革は着実に進んでいた。当時、中国5県(鳥取・島根・山口・広島・岡山)では債務(教会がシックから借りていたお金・献金返還を迫られているお金)がゼロになった。今でもそうではないのか。少なくとも、私の隣人(島根教区)は今でもゼロだ。

 国進・亨進体制が続いていたら、世界の統一教会が日本シックの献金に依存することはなくなり、また日本の統一教会も信者6万人に見合った人員体制(宗教サラリーマンの大幅リストラ)などなどによって「高額エンドレス献金は低額エンドレス献金」に変わっていったはずだ。
 そうなれば、拉致監禁は根絶されていたと思う。
(高額エンドレス献金がなくなれば、教会に戻ってくる人は少なくないはず)

 ところで、文亨進氏をどう見るか、についてである。
 結論を急ぎすぎる読者は、「亨進氏によって統一教会が生まれ変わる可能性がある」「亨進氏の2010年3月のスピーチはきれいごとすぎる。世界会長時代にも献金を迫っていたのではないか。統一教会が変わるわけがない」という。
 もう少し引いて、客観的に考えたてみたらどうかと思う。
 亨進氏は今でも法的地位は世界会長だが、現実はアメリカの辺鄙な片田舎にあるサンクチュアリ教会(公共交通機関はなく、レンタカーで行くしかないそうだ)の牧師である。
 そして、古巣の世界統一教会は献金利権集団と化している。

 
 こうした構造の中で、亨進氏が統一教会に批判的なシックが喜ぶような説教したからといって、韓国人幹部を中心とした献金利権者集団組織が変わるわけがないのだ。変わる・変わらないという問題の立て方が間違っている。
 利権集団組織(現統一教会)が説教(演説)によって変わることはあり得ない。変わるには運動論が必要なのだ。
 亨進氏たちに運動論があるのかどうかははなはだ疑問である。

勢道政治

 考えにくい仮の話だが、韓鶴子氏が真相の一部を知って、文亨進氏を戻すようにした場合、現統一教会は変わるのだろうか。
 微動だにしないはず。最初は従順にしていた重臣たちはあの手この手を使って、改革を阻止する。重臣たちの存在は厚い岩盤なのだ。

 李氏朝鮮時代の勢道政治(せいどうせいじ)を御存知だろうか。
(引用はじめ)
世界大百科事典 第2版の解説:せいどうせいじ【勢道政治】
 朝鮮の李朝において,国王の信認を得た特定の人物や集団が政権を独占する場合を指し,世道(せどう)政治ともいう。こうした人物や集団は王室と血縁関係か婚姻関係にある外戚の場合が多く,正祖時代(1776‐1800)の洪国栄(1748‐81)以来,外戚の勢道政治が李朝末期まで続いた。とくに純祖(在位1800‐34)以降は幼少の国王が相ついだため勢道政治に拍車をかけ,安東金氏(純祖,哲宗の両時代),豊壌趙氏(憲宗時代),驪興閔氏(高宗時代)などによって政権の私物化が行われた。
(引用終わり)

 私は2年前に、文顯進氏を支持する方から韓国の時代劇『イサン』を見ろとアドバイスされた。その年の正月は箱根駅伝とイサン漬けだった。イサンを観て、初めて統一教会の権力構造がわかった。
 王(文鮮明)や王妃(韓鶴子)や王の子(「真のご子女様)」よりも重臣たちの権力が強い!ということを。 

顯進派の怯え

 ただ、はっきりしたことがある。
 現在の統一教会は、献金プッシュは相変わらず続いているが、すでに死に体となっているということだ。
 その根拠は、神山名誉会長が講演する、神山氏を支持するブログが開設される、それだけで現組織は怯えているのだ。
 <このままじゃあ、組織は疲弊する一方だ>。「1800家庭会40周年記念と父母集会報告、及び声明文掲載のお知らせ」を読んでもらいたい。威勢のいいことが書かれているが、これは「怯えの声明文」である。

 神山問題に加え、新たに亨進問題が加わり、教団はもう真っ青
  亨進氏のスピーチは強烈で、読んだ人は間違いなく、献金を躊躇する(ビニール脳の信者もいるが)。説教文を載せてからこれまでの火の粉へのアクセス件数は延べ4万件を超えている。
 献金をやめろという説得することはやめてもらいたい。ただ黙って、世界会長の説教文をコピーして渡せばいいだけのことである。

 脅威を抱いているのは教団だけではないようだ。笑ってしまうのだが、文顯進氏のスポークスマン、パシセラ坊やも「文亨進元世界会長に付いて行ってはいけない」と、喚いている。
 端から見ていると、実に滑稽である。教団はUCI派、神山分派に付いていってはいけないと語り、顯進派は文亨進元世界会長のところに行ってはいけないという。
 興味深いのは文亨進氏の肩書をパシセラ坊やが世界会長」としていることだ。アメ統のキム・ギフン、バルコム、ジェンキンスと同じである。結句、亨進氏を世界会長の座から引き下ろした悪魔の同盟諸君と連携しているのだ。

 亨進氏は説教の中で、こう述べていた。
 これらのグループは、面白いことに、互いに仲が悪いのです。 それぞれ、自分のグループで権力を独占しようと、競い合っているのです。 しかし、共通の目的のために、協調することにしているのです。(爆笑)
 パシセラ坊や、日本の教団の真似をしてアメリカで署名運動でもしたらどうだい。きっとバルコム会長も手伝ってくれるだろうよ

 このように書くと、是々非々の荀子を知らない教団韓国人幹部よろしく、小生のことを亨進派になったのかと思う読者もいるだろうが、亨進氏の高額エンドレス献金批判を支持しているだけだ。
 この問題に正面から公的なメディアで言及したのは、亨進氏だけである。教団幹部はもとより、神山氏も顯進氏も沈黙したままだ。

なめたらあかんぜよ

 最後に、次の2つの評価を材料に、文亨進個人への感想を述べておく。

その1・金孝律氏の妻(フィリス金、日系人)は、周囲に「亨進様は幼い子ども」と漏らしていた。
その2・アジア大陸会長のヨン氏がある在韓シックにこう語っていた。「まだまだリーダーとしては幼く、実績もないし、顕進様のようには語れないし、振る舞えないので、側近や幹部達が支えて守り、とにかく今は、多くのメンバ ー達には、立派に見えるように、作り上げていかなければならない。大変なんだよ。作り上げて行くのは・・・」
 いずれも、亨進氏が世界会長になった頃の評価であろう。

 しかし、36歳になった今の亨進氏は昔の亨進ではない。
 日本を20回以上訪問し、悲惨な食口家庭を見て、慟哭し、涙を流した。
 世界会長の座から引きずり下ろされるという屈辱的な体験をした。初めての挫折だったと思う。
 そして、サンクチュアリ教会で過去を総括し、意を決して、激烈な説教を開始した。
 たんに年齢を重ねたわけではない。一般の人が経験しないような体験をし、人間としても成長した。昔の幼い頃の亨進氏だと思っていると、彼の動きを見誤る。火傷するよッ。

 これで、カテゴリー<文亨進牧師のラジカルな説教>の記事はいったん中断し、くそリアリズム、統一さんの今の状況を数回報告したあと、再び、説教の紹介をすることにする。

 
 
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