清平に通じる道は汚職の臭いが漂ってくる。

統一教会考(64)

 今や献金横領疑惑の地として有名になった清平界隈から、また怪しげな灰褐色の煙が漂っている。
 7月3日付の日刊紙「ハンギョレ」を掲載する。

(記事の引用はじめ)

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【写真説明】
京畿道加平郡が拡張工事をしている雪岳面ソンチョン~宋山里郡道4号線の道路には通行車がほとんどなく閑散としている。統一教会関連施設が密集している地域の住民の土地は安価で買収され、道路は広くなった。 

税金100億ウォン投入して「統一教会の道路」特恵論難

清心国際病院など統一教会が密集した
郡道4号線加平郡宋山里付近
2車線から4車線に拡張工事
住民の土地は相場の70%という捨て値買収
「通行量の少ない郡道をなぜ広げるのか」という指摘に
加平郡は「観光客が増えたため工事が必要」

 京畿道加平郡が、統一教会関連の施設が密集している雪岳面宋山里の進入道路を拡張するために私有地を買収し、税金100億ウォンを投入したとして特定宗教に対する特恵是非と共に予算の無駄使いであると指摘されている。
 事業区間の半分に該当する3万4342㎡の土地を買収された住民の手には相場より30%ほど少ない補償金がわたされた。

 2日、加平郡と清心国際文化財団の資料と説明などを総合すると、加平郡は去る2009年、清心国際文化財団から郡道4号線の拡張を要求され、2011年6月から雪岳面ソンチョン里~宋山里3.34kmの区間を従来の2車線から4車線に拡張・舗装工事が進められている。

 郡道4号線に属するこの区間は、雪岳~清平をつなぐ2車線の国道75号線(2016年開通予定)に連結され、来月竣工する予定である。
 土地の補償費56億ウォンと工事費147億ウォンなど、事業費203億ウォンのうち50%は統一教が、残りは京畿道と道加平郡が負担する。事業所(7万980㎡)も半分は統一教が寄付採納し、残りの半分は住民の土地が買収された。住民は鑑定評価額に基づいて56億4千万ウォンの補償金を受けた。

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京畿道加平郡郡道4号線拡張工事の現況

 6月27日午後、最終工事真っ最中の雪岳面ソンチョン~宋山里区間は通行車がほとんど見られないほど閑散としている。拡張工事は、清心神学大学院大学、清心国際中高等学校、清心国際病院、清心国際青少年修練院、清心平和ワールドセンター、天正宮博物館など、統一教会関連の施設が密集している宋山里まで進行される。
 郡道4号線の残りの区間である松山~ミサ里の終着地4.8㎞は、車2台が避けて通ることが難しい程狭いところもあるが拡張工事の対象ではない。

 ソンチョン里住民は工事開始当時、反対横断幕を掲げて加平郡と京畿道、国民権益委員会などに嘆願書を送ったが、最終的には相場より30%ほどの低価格で買収されるしかなかったと述べた。
 ムンジョンオク塔と住宅など4千㎡が買収されたイ・ギドン(61)氏は
「不動産業者が3.3㎡(坪)当たり100万ウォン以上するという土地を63万ウォンで渡した。悔しいが、田舎の農民にどのような力があって政府がすることを防ぐことができるのか」
 と語った。
 住民ナム・ボヒョン氏は
「広げるなら国道をまず広げなければならない。通行量の少ない郡道を4車線に広げ、2車線の国道に連結するということは話にならない。住民税を使って特定宗教のために4車線の進入路を作ってあげる工事」
 と述べた。
 ソンチョン里住民は「町が南北に分割され、年寄りが大通りを安全に渡れる村でなくなった」と憂慮した。

 道路拡張の受益者である宋山里の地元住人たちも不満を示した。7代が宋山里で暮らしてきたハム・ダルウン(73)氏は
統一教が入ってきて、80世帯の地元住民がバラバラになり、15世帯に減った。典型的な農村が瓦解した。山菜やキノコを採取していた村の前にあるチャンナク山(627m)に統一教が天正宮博物館を建てた後、出入りが禁止され、近づくことすらできないなどの被害が大きい」
 と述べた。
 この町出身のハム・アムゲ(51)氏は「共の目的ではなく、事実上、道拡張のために道路とは無関係な住民の財産権が侵害された」と話した。

 これに対し加平郡の関係者は「ソウル~春川高速道路の開通で観光客が増えた上、統一教会の施設に起因する雪岳面一帯の交通渋滞を解消するために必要な工事で、特定宗教に特恵を与えたのではない。誤解の素地はあるだろうが、財政自立度が低い郡の立場では、予算をあまりかけないで実効性のある事業を推進した」と述べた。

バク・ギョンマン記者 mania@hani.co.kr

(記事の引用終わり)
【解題】

(1)加平郡の役人がどう釈明しようが、統一教会(&清心国際文化財団)に特恵(特別の便宜)を与えるために、税金を使って道路の拡張工事を行なっているということだ。当然のことながら「汚職」の臭いが漂ってくる。
 統一教会が5億円を負担し行政が5億円使って、地方道を4車線にして2車線の国道につなぐ。4車線にするのは清平まで-とは、いくらなんでも露骨すぎる。
 嫌韓が大きな潮流になっているとき韓国人の批判はしたくないが、「ソウル~春川高速道路の開通で観光客が増えた上 」という釈明はあまりにも稚拙である。

(2)地域住民が無駄遣いとして問題にしている100億ウォン(約10億円)は、日本でも日刊紙が取り上げるレベルの金額だ。それとの対比で、2600億ウォン(260億円)という金持ちイタコ一族の横領疑惑金額を考えると・・・。ため息が出る。

(3)宗教は人々に幸福をもたらすものとされる。それゆえ公益法人として税の優遇措置が取られている。 統一教会は「ために生きる」を宗是としている。それなのに、人々に被害を与えている。
「年寄りが大通りを安全に渡れる村でなくなった」
「統一教が入ってきて、80世帯の地元住民がバラバラになり、15世帯に減った。典型的な農村が瓦解した。山菜やキノコを採取していた村の前にあるチャンナク山(627m)に統一教が天正宮博物館を建てた後、出入りが禁止され、近づくことすらできないなどの被害が大きい」

(4)ハンギョレ新聞の記者は当然、汚職の疑いを持っている。続報が出るかどうか。

佐賀市と佐賀統一教会はどうなのか?

 統一教会と行政との関係という点で想起されるのは「佐賀市と統一教会佐賀教会」である。
 6月20日付の西日本新聞にこんな記事が載っていた。【出典】http://www.nishinippon.co.jp/nnp/saga/article/96145

統一教会の施設を市有地に移転へ 佐賀市が予算計上 [佐賀県] 

 佐賀市は19日、同市高木瀬町にある統一教会佐賀教会を約1キロ東側の市清掃センター跡地に移転させる交渉を教会側と始める方針を市議会建設環境委員会に示した。統一教会佐賀教会をめぐっては、地元で反対運動が起こり、センター跡地に移転することで教会、住民、市が合意していた。現在の建物と土地は市が買い取る計画で、評価額を査定する調査委託費566万円を一般会計補正予算案に計上した。

 統一教会は2011年11月、同市兵庫南からパチンコ店跡の現在地(約5千平方メートル)に移転するため土地の用途変更を市に申請。市は12年8月に許可したが地元の平尾地区や近隣自治会が反対し、周辺に住宅のない清掃センター跡地(約2万平方メートル)への移転を求める要望書が市に出された。

 市は平尾地区に清掃センターを受け入れてもらった経緯もあり「地元の要望には配慮が必要」(環境部)と12年11月に統一教会を含む3者で覚書を締結。14年12月末までに移転することを決めた。評価額の査定が出るのは11月ごろの見込みで、移転は15年以降になる。統一教会の担当者は取材に「現在と同じ規模の施設が確保できるのであれば移転には応じる。評価額の調査結果を見て判断したい」と話した。

=2014/06/20付 西日本新聞朝刊=

 
 記憶がふつう程度の読者なら、このブログで「注目サイト」として紹介しているブログ「目安箱」が浮かんだと思う。その通りだ。最近は鳴かず飛ばずだが(大岡越前が寂しがっておるぞ)、サイトデビューの頃は執拗に佐賀教会の移転新築問題、佐賀教会のデタラメぶりを報じていた。たとえば、「佐賀聖殿建設の経緯 (佐賀の末端食口さんより)」。ここでは触れていないが、勝共連合事務総長の横田浩一氏までこの紛争に介在している。 彼は教会の改革派を自認していたのだが、いったい、どういうことなのか・・・。

 前掲の西日本新聞の記事を読んで何か問題があるのか。そう読者が訝るのは当然だ。
 しかしながら、注意深い読者は土地と建物の評価を調べるためになぜ566万円もの「公金」を使うのか、疑問を抱かれたと思う。

 これに関する佐賀共産党シンパの解説と分析を紹介しておく。

(引用はじめ)

 佐賀市と周辺の市町村合併で、ごみ処理場の問題が地元平尾地区との懸案事項であったわけです。この平尾地区に建設された新しいゴミ焼却施設はすでに合併後のことも考慮済みで十分な焼却能力があり、この1か所ですべての地域のごみ処理ができれば佐賀市としても億単位の経費削減につながる大きなメリットがあるわけです。

 平尾地区とすれば、焼却量増大による大気/土壌汚染、また特にゴミ収集車の往来が増大してしまうことが嫌なようで、ずっと佐賀市ともめていたようです。そこに、統一教会建設問題が浮上し、佐賀市としてはこの問題を解決するので、平尾地区にゴミ処理場統合を飲んでもらおうと言う思惑があるわけです。当然、平尾地区には教会反対派の弁護士が入り込んでいました。

 しかし、いざ約束の時を迎えて、代替え地(市が用意した新たな場所)への移転の予算を計上するために、教会側が支出した改築のための費用の明細、領収書などの提示を市が求めましたが、提出が半年も遅れ、また領収証もPCで作ったような簡単なもので信憑性がなく、市としては疑問を深めたようです。

 実際この聖殿建設は設計も清平の施設を設計した設計士がやり、材料も殆どが韓国からのもの。作業員たちも韓国人を不法就労させ、教会員経営のアパートに住まわせ(ピーク時は15名と言う情報がありました)、食事も教会員経営の焼肉店に作らせていました。
 もしこの佐賀市の調査<注>により、前教区長の横領や脱税が明確になれば・・・・

(引用終わり)

<注>彼は、調査費566万円が統一教会のための調査にも使われると確信しているようだ。 

 韓国の清平道、佐賀の教会堂。どちらも続報に注目するばかりです

<補足説明>この原稿は7月6日に書いたものである。やや古いのだが、この間、他のブログで報じられていないので、掲載することにした。その後、清平、佐賀での新しい動きはないようだ。

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